怒りたくないのに、ついイライラしてしまう……
こどもがなかなか言うことを聞いてくれなくて、ついイライラしてしまうことってありませんか?そして、怒ってしまった自分に、「なんで怒っちゃったんだろう……」と悲しくなってしまう。
そんなイライラが少しでも解消されることを願って、メンタリストのDaiGoさんの著書『子育ては心理学でラクになる』を紹介させて頂きます。
「でも心理学って難しいんじゃあ……」という人もご安心ください。心理学にもとづいて書かれていますが、専門的な話ではなく、日々の考え方や子育ての取り組み方へについて、しっかりまとめられている書籍です。
本書では、子育てのイライラ対策には
「こどもにも良い影響を与える意志力を身に付けること」
「こどもが言うことを聞いてくれやすくなる言葉の選び方」
の2つが重要だと書かれています。
そこで今回は「意志力を身につけて、こどもが自然に変わる環境をつくる方法」についてまとめていきます。「こどもが心を閉ざす危険な言葉/こどものやる気を引き出す魔法の言葉」については、後編(近日公開)をどうぞ。
この記事の目次 [表示]
なんで子育てはイライラするの?
子育て中は、心理学的観点から考えると、「誘惑に弱い状態」だそうです。だからと言ってイライラして良い、というわけではありませんが、「あなたが悪いのでは無い」ということは知っておきましょう。
子育て中の状況がなぜ誘惑に弱いのかは、以下の4つの状況を考えると分かりやすいでしょう。
誘惑に弱くなる状況その1:気が散っているとき
悩み事が頭から離れない状況のとき、人間は簡単に感情に流されてしまいます。食事を作ったり洗濯をしたりしないと~と考えているときに限って、こどもが離乳食で遊びだしてしまい、つい「ちゃんと食べなさい!」と怒ってしまうんですよね。
誘惑に弱くなる状況その2:何かに集中しているとき
何かに集中するのにはエネルギーを使います。人間はひとつのことに集中する状況から開放されたとき、感情の抑えが効かなくなって、いつもより怒りや悲しみ、喜びを感じやすくなります。やっと家事が終わった~と思ってふとこどもを見ると、ティッシュを引っ張り出しまくって遊んでいて「なにしてるの!」となってしまうのは仕方が無いことなのです。
誘惑に弱くなる状況その3:糖分が足りていない
脳のエネルギー源であるグルコース(=ブドウ糖)が不足すると、怒りを抑えるための力がでません。特に出産後すぐの場合、妊娠のために増えた体重を落とそうと、産後ダイエットに力を入れておられるママは多いですよね。当然、糖分はダイエットの大敵ということで制限している可能性が高く、感情が爆発しやすい状態になってしまいます。
誘惑に弱くなる状況その4:睡眠不足
人は睡眠不足状態のとき、ストレスを感じやすくなります。これも出産後すぐの場合、赤ちゃんはママの都合で寝てはくれませんし、授乳の必要もあります。自分のタイミングで睡眠を取れない、というのはママの体にものすごくストレスがかかります。ましてや、パパの協力が得られないなんて日には、「夫 イライラ」とか検索しても仕方ないですよね。
意志力(ウイッシュパワー)って何?
ケリー・マクゴニガルによると、「潜在能力を引き出す力」には3種あります。それは「やる力」「やらない力」「望む力」の3つの力です。(P.34)
ケリー・マクゴニガルとは、スタンフォード大学の健康心理学の教授で、すこし前にTV番組『世界一受けたい授業』で『ストレスはあったほうがいい!?スタンフォード式「ストレスを力に変える方法」』という内容の授業をされておられましたね。
本書『子育ては心理学でラクになる』においては、この「潜在能力を引き出す力」のことを「意志力(ウイッシュパワー)」と定義しています。
意志力はなぜ重要なの?
ではなぜこの「意志力」が、子育てのイライラに有効なのでしょうか?
自分の感情をコントロールできるようになるというのはもちろんのこととして、もう一つ重要なメリットがあります。それは「パパ・ママの意志力はこどもに感染する」ということ。
人間は周囲の環境に影響を受ける生き物です。本書において、意志力がこどもに与える影響として以下のような記載があります。
こども時代に身についた意志力が、その後の人生を決定づけること、こどもの頃から衝動や誘惑に負けないよう自分をコントロールできれば、成功した人税を歩める可能性がとても高いことを証明しています。(P.25)
「意志力の強いパパ・ママがそばいる状況」であれば、その意志力は「こどもにも感染する」。そして意志力を持ったこどもは、自分をコントロールできるようになる、ということです。
つまり、自分が意志力をみがくことによって、こどもにも意志力が備わり、自分を律しパパ・ママのお願いを守ろうとしてくれる、というわけです。
意志力を鍛えるためには?
「自分は意思が弱いから……」という人もいるでしょう。大丈夫です。まずは意志力の育て方&回復の仕方から知っていきましょう。
本書では4つの方法が紹介されており、これは「人が誘惑に弱くなる状況」を打開するための方策でもあります。
- 自分の行動を意識化する
- 目標を一つにしぼる
- GI値の低い食べ物を食べる
- きちんと睡眠をとる
この中で、僕が特に重要だと思ったのが「自分の行動を意識化する」ということ。意志力は「やる力」「やらない力」「望む力」の3つの力でなりたっていることはすでに紹介しました。
例えば、こどもをつい怒ってしまったとき、「今の自分に足りなかったのは意志力のどの部分だろう?」と振り返ることで、次に同じようなことがおこったときに「そういえば前に怒っちゃったな……」と思い出すことができます。
『失敗は成功のもと』って言葉有りますよね。怒っちゃうことがあっても良いんです。次にそうならないように、経験値を溜めていきましょう!
こどもの意志力を鍛え、自然と変わる環境をつくるためには?
こどもが意志力を備えると、集中力のアップにもつながっていきます。本書では「こどもが自然と変わる環境」について以下のような項目で説明されています。
- 成功者が早起きする理由とは
- この食事で、こどもの口応えが減る
- 模様替えするだけで、こどもの集中力は上がる
- わずか1296円で勉強がはかどる激安ツール
- 集中力をキープする後回しメモとは?
簡単に言うと、集中するための環境を整えるということですね。
もちろん、ウチの家はそんなに広くない!という方もいるでしょう。それでも、「夜10時~2時のゴールデンタイムにしっかり睡眠を取り脳を発達させる」「エネルギー効率の良い食事で脳を活性化する」という2点については、すぐに取り入れることができるはずです。
まとめ:子は親の鏡
今回はメンタリストのDaiGoさんの著書『子育ては心理学でラクになる』における、子育てのイライラを解消する2つの方策、「こどもにも良い影響を与える意志力を身に付けること」「こどもが言うことを聞いてくれやすくなる言葉の選び方」のうち、意志力の育て方に焦点をあててご紹介させて頂きました。
子育てにイライラするのは仕方ないこと。でもそれをちゃんと意識して、「次はおなじようなことで怒らないぞ!」という想いをもてば、その意志力はこどもへと感染し、きっとこどもが自然と変わっていく環境をつくることができるはず!!
僕もパパ1年生として、息子といっしょにがんばりたいと思います。以上、TSUNJI(@tsunji1983)でした。