警察への被害届ってどうすれば良いの?
僕は、2016年5月に「楽天ポイントの不正利用事件」に遭遇しました。
※現在は、ポイントを返却いただき、一応、解決しております。詳しい経緯は以下の記事をご覧ください。
実は、楽天には「ポイントの不正利用についての補填はしない」いう規約があります。
楽天は、ポイント利用時に入力されたIDおよびパスワードが登録されたものと一致することを楽天が所定の方法により確認した場合には、会員による利用とみなします。それが第三者による不正利用であった場合でも、楽天の責めに帰すべき事由がある場合を除き、楽天は利用されたポイントを返還しませんし、会員に生じた損害について一切責任を負いません。
正式な調査を行うことによって「第三者の不正使用」を立証し、「会員による使用とみなす」という部分を否定できれば、もしかしたらなんとかなるのでは?と思い、いろいろ動いてみました。
そこで今回は、実際に被害届を提出する際に、「何を聞かれるのか」また「何を準備しておけば良いのか」についてまとめておきます。
- 2016年7月11日:記事公開
- 2017年5月27日:朝日新聞から取材を受けるにあたって文面を修正
- 2018年7月16日:5月末ごろからアクセスが急増しているため、同様の被害が増えていることを懸念し、分かりにくい言い回しが無いか等を確認して修正。
この記事の目次
楽天におけるセキュリティへの取り組み
楽天における情報セキュリティへの取り組みや不正アクセスへの対応は以下のページで確認できます。
深刻な被害の場合は最寄の警察署又は都道府県警サイバー犯罪相談窓口にもご相談ください。
「楽天サービスにおける不正利用への対策」というページでは、上記のような記載がありますが、実は「最寄りの警察署へ被害届を提出する」必要があります。
サイバー犯罪対策相談室について
日本の警察は、昨今問題視されているサイバー犯罪への対策として、各都道府県の警察本部にサイバー犯罪対策室を接地しています。
参考:警察庁 サイバー犯罪対策
インターネットの掲示板で誹謗中傷を受けた、詐欺・悪徳商法の被害にあった、オークションで落札した商品が届かない、など多くの相談が寄せられています。過去の相談内容については、下記のページをご覧ください。
今回、自分の楽天IDに不正アクセスされ、楽天ポイントを利用された件で、自分の居住県のサイバー犯罪対策室に相談の電話をしてみました。そのときに教えていただいたのは、あくまでサイバー犯罪対策室は「相談内容に合わせて適切な相談先をアドバイスする窓口」ということ。
もちろん、ITの専門家も所属しており、犯罪捜査も行うそうですが、あくまで所轄の警察からの要請により動くとのことで、「まずは最寄りの警察署で被害届の提出を」と指示をうけました。
最寄りの警察で被害届の提出時に聞かれたこと
最寄りの警察署に被害届を提出に行くと、「生活安全課」という部署の方にお話を聞いていただくことができました。生活安全課は「ヤミ金融、悪質商法に関する相談」「公害に関する相談」などを取り扱う部署になります。
特に詳しく聞かれたのは、「いつ不正アクセスに気づき」「どのような対応をしたのか」ということ。
僕の場合、ポイントの不正利用に関するメールが到着したことや、コンビニへ直接問い合わせを行ったことなどを報告させていただきました。
事件の詳しい経緯は↓(かなり長文なのでご注意ください)
所要時間はおよそ1時間くらい。もろもろの証拠を撮影し、何か追加で聞くことができたら連絡するから、ということで当日は終了でした。
被害届提出のために準備すること
以下の3点を準備しておくと、被害届の提出がスムーズになるとおもいます。
事件の時系列をまとめたもの
警察に被害届を提出すると、最終的に「調書」というものを作ることになります。これは、当該の事件について「いつ」「誰が」「どうした」を記録していくものになります。
そこで、事件の時系列をまとめておくと、話がスムーズに進みます。
また、時系列にまとめるために、事件を振り返ることで、事件に遭ってパニックになっている頭を整理して、論理立てて相談することもできるようになります。
不正利用の金額が確認できるもの
これは、楽天カードの利用履歴など、「不正利用された金額」が分かれば、どんな情報でも良いでしょう。
僕の場合、楽天ポイントを利用してコンビニで不正購入されたのですが、ポイントを利用するタイミングで「【楽天ポイントカード】楽天スーパーポイント利用のお知らせ」というメールが届いたので、このメールの受信画面を写真で撮ってもらいました。
不正アクセスの可能性を示唆するもの
僕の場合、ポイント利用のメールに記載されていたコンビニの店名が東京のもので、明らかに怪しい利用履歴だったので、そこまで突っ込まれませんでしたが、不正アクセスを示唆する情報があると話がスムーズです。
例えば、楽天においては、利用者のログイン履歴を閲覧することが可能です。そこで、普段利用するパソコンのIPアドレスを調べておき、不審なIPアドレスからのログインについて伝えるようにしましょう。
ログイン履歴の詳しい調べ方は以下のURLをご覧ください。
楽天ポイント不正利用で警察に聞かれた事と被害届提出のための準備【まとめ】
「警察は動いてくれない」という声も有りますが、僕はすぐに被害届を出すべきだと思います。被害届を出すことで、一つ、事件に変化が生まれ、自分自身の不安解消に繋がると考えられるからです。
被害届を提出しておよそ1ヶ月半、楽天からのポイントの返還とタイミングは前後しましたが、警察の担当者さんより「調書」完成の連絡を受けて、内容確認に行ってきました。(ポイントの返還は6月半ば)
調書の内容は「今回の件は、自分とは関係の無い第三者の不正利用であり、犯人が逮捕されることを望みます」という趣旨のもので、これは楽天さんにも共有されているそうです。
また、コンビニの防犯カメラの映像を確認したことや、楽天にアクセス端末に関する詳細の提出を求めたことも教えていただきました。
これらの警察の動きによって、「IDとパスワードが一致する限り、不正ログインであったとしても、会員の利用とみなして補填はしませんよ」という楽天のスタンスを、多少は緩和していただくに至ったのではないかと予想します。
警察に行くのは、なんかものすごく大事のように思えて気が引ける、という方もいらっしゃるかもしれませんが、相談にお金がかかるわけでもありませんし、自分で事件の整理ができたら、まずは相談してみてください。
以上、TSUNJI(@tsunji1983)でした。