「『学問』よりも『実践』を知るべき」
総監修・栫井駿介さん、漫画・ちゃぼさん、編集・ループスプロダクションの『マンガでわかるピーター・リンチの投資術』を読みましたので、私の感じたポイントをご紹介します。
【書籍情報】
題名 :マンガでわかるピーター・リンチの投資術
総監修:栫井駿介
漫画 :ちゃぼ
編集 :ループスプロダクション
出版 :Standards
発売日:2021/11/27
本の長さ:176ページ
おすすめ度:★★★☆☆
読みやすさ:★★★☆☆
読了:2024/05/03
媒体:PrimeReading
※PrimeReadingは月に数十冊の入れ替わりがあるので、タイミングにより閲覧できない場合があります。最新情報は公式HPをご確認ください。
この記事の目次
本書との出会い:マンガでわかる〇〇の投資術シリーズ読書中
PrimeReadingにて、『マンガでわかる〇〇の投資術』シリーズが計4冊、読み放題に登録されており、「金融リテラシー(より良い生活を送るために必要なお金に関する知識や判断力)」をつけるために順番に読書中です。
前回は、ウォーレン・バフェットを題材にした本を読みました。
今回は、シリーズ第2弾のピーター・リンチです。
概要
ベストセラー「マンガでわかる バフェットの投資術」に続く「マンガでわかる投資家の手法」!
シリーズ第2弾は10倍株のピーター・リンチ!投資の世界において、自ら運用するファンドにおいて、13年間で運用資金を777倍にするという驚異の実績、そして、株価が10倍になる銘柄が多数あることで10倍株(テンバガー)という言葉まで作り、「伝説」とまで呼ばれた投資家。
かのウォーレン・バフェットと並び三大投資家と称される「ピーター・リンチ」の半生を通して投資の哲学と手法を学ぶ!Amazon商品ページより
私が感じた『マンガでわかるピーター・リンチの投資術』のポイント
株(銘柄)の6タイプ
本書では、リンチが提唱する株の6つの分類をベースに、どうやってテンバガー(株価が10倍に跳ね上がる銘柄)を探していくのが良いか紹介されています。
- 低成長株
- 優良株
- 資産株
- 急成長株
- 市況関連株
- 業績回復株
この6つのタイプについて、
- それぞれにどんな特徴があるのか
- 気になっている銘柄がどの分類に当てはまるか
- それぞれの分類で注目すべきポイントはどこか
- 売買のタイミングはどうやって判断するか
などが段階的にまとめられています。
また、これらをもとに「有望な銘柄の特徴(テンバガーを見つけるための13要素)」も紹介されており、決算資料(財務諸表)の分析方法は特に分かりやすかったです。
「株を買ってみようと思っている。でもどんな基準で選べばいいか分からない!」という人には、イメージをふくらませるきっかけになると思います。
自分の“耳”と“足”で情報を手に入れる
本書を読んで特に「なるほどな~」と思ったのが、ピーター・リンチが「直接情報を受取る」のを大切にしていたこと。
例えば、興味のある企業に足を運んだり、身近な人(妻や子ども)との日常会話から銘柄選択のヒントを得ていたり、自分の“耳”と“足”で手にれた情報をもとに、テンバガーを見つけ出しています。
また、同シリーズの『マンガでわかるバフェットの投資術』のなかで、
自分がわからない企業や分野は避ける
出典:マンガでわかるバフェットの投資術(p.111)
と述べられていたのと同様に、
自分が調べても分からない銘柄は、成長性があるのかないのか、判断が難しくなり、ギャンブルになってしまう。このことから「誰でも分かる収益構造」をもつ銘柄であるかも判断基準のひとつにいれるとよいだろう。
収益構造の単純さについて、リンチは「どんな馬鹿でも経営できる」会社が望ましいと語っている。
出典:マンガでわかるピーター・リンチの投資術(p.90)
とあり、自分が正しく理解している企業(銘柄)を重視していたことが分かります。
より実践的&より具体的=株をやってみたことがある人向け
『マンガでわかるバフェットの投資術』が、「その企業が良い企業かどうか」を主軸にまとめられている本だとすると、『マンガでわかるピーター・リンチの投資術』は、「その銘柄が伸びるかどうかをどうやって予想すればよいか」がまとめられている本だと感じました。
より実践的&具体的である分、「投資を始めようか迷っている」ぐらいの人には、ちょっと分かりづらい内容かもしれません。
むしろ、少額も投資をしてみたことがある人や、もし投資をしたらどうなるか仮想ワーク(特定の銘柄の値動きを予想して、数カ月後にチェックしてみる、等)をしてみたことがある人にとっては、ものすごく役立つ本だと思います。