「私の85%はグレアムから、15%はフィッシャーからできている」
総監修・濱本明さん、漫画・ちゃぼさん、編集・ループスプロダクションの『マンガでわかるバフェットの投資術』を読みましたので、私の感じたポイントをご紹介します。
【書籍情報】
題名 :マンガでわかるバフェットの投資術
総監修:濱本明
漫画 :ちゃぼ
編集 :ループスプロダクション
出版 :Standards
発売日:2021年5月26日
本の長さ:178ページ(Kindle換算)
おすすめ度:★★★★☆
読みやすさ:★★★★☆
読了:2024/05/02
媒体:PrimeReading
※PrimeReadingは月に数十冊の入れ替わりがあるので、タイミングにより閲覧できない場合があります。最新情報は公式HPをご確認ください。
この記事の目次
本書との出会い:シリーズのうちの1冊がもうすぐ読めなくなりそうだった
私が読書に活用している『PrimeReading』というサービス(Amazonプライムの会員であれば、特典として追加料金なしで本が読める)では、毎月30〜40冊くらい読める本の入れ替えがあります。
サービスページでは「もうすぐ読み放題が終了するタイトル」をチェックすることができるのですが、その中に『マンガでわかるジム・ロジャーズの投資術』という本がありました。
2024年現在、新NISAの開始に伴い、簡単に投資にチャレンジできる環境が整ってきています。(投資の種類などを別にすれば、ですが)
個人的に「もっとお金に関する知識をつけないと!」と思っていたところだったので、さっそく読んでみようとしたら、どうやら『マンガでわかる ◯◯の投資術』という同系作品があると知りました。
せっかくなら、シリーズの1作目から読んでみようと選んだのが、本書『マンガでわかる バフェットの投資術』です。
概要
株式投資で世界的富豪に昇りつめ、さらに賢人として世界中から尊敬される投資家。
「ウォーレン・バフェット」の人生を通し投資の哲学と手法を学べます!
・バフェットの言葉で投資哲学を深める!
・彼の人生と行動をマンガを通して知る!
・彼の当時の投資手法を解説、現代の投資からみて理解する!また、総監修にバフェットの投資術に共感し、氏の動向を追っている日本大学商学部教授 濱本明氏です。
全体的な監修と現在の日本でバフェットの投資術を行う際の解説も務めてもらっています。ウォーレン・エドワード・バフェット
ガムやコーラの販売から貯めたお金で株式投資を始める。ベンジャミン・グレアムやフィリップ・フィッシャーなど、伝説的な投資家たちの影響を受け、多くの投資案件を自らの力と考えで成功に導く。2021 年3月現在で総資産は1000 億ドルに達し、その投資姿勢や哲学から「オマハの賢人」と呼ばれ、世界中の投資家から尊敬され、教えを請われている。Amazon商品ページより
私が感じた『マンガでわかるバフェットの投資術』のポイント
概要→マンガ→詳細説明 の流れが分かりやすい
本書は、投資に興味を持つ人なら1度は名前を聞いたことがあるのでは?というくらいに偉大な投資家ウォーレン・バフェットの人生を追いかけながら、「どのような経験を糧に資産を育て、何を判断基準に投資をするか」を学ぶ本です。
全部で5つのライフステージ(幼少期→青年期→壮年期→最盛期→熟年期)におけるバフェットの人生について、「概要」→「マンガ」→「詳細説明(重要シーン解説)」と、3つのアプローチで説明してくれます。
このため、ポイントになるキーワードや考え方が何度も出てくるので、あまり金融用語に詳しくない方にも、イメージがつきやすい内容になっています。
定量分析と定性分析
バフェットの人生のなかで、特に影響を受けた2人の投資家が、ベンジャミン・グレアム(定量分析)と、フィリップ・フィッシャー(定性分析)です。
僕の85%はグレアムから、15%はフィッシャーからできているといっても過言ではない
出典:マンガでわかるバフェットの投資術(p.102)
定量分析とは、会計学をベースに企業が公表する財務内容に関する書類(損益計算書、貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書)から、過去の株価や業績の推移を数字として評価する手法です。
一方、定性分析とは、過去の収益やチャートではわからないブランドの評価や経営者の評判など、数字に現れない部分で評価する手法です。
このどちらかが優れているという話ではなく、2つを組み合わせながら、独自の判断基準を設けてバフェットは投資判断をするのです。
以下は、本書で取り上げられたバフェットの教訓の一部です。
- 投資で失敗しないための3つの教訓
- 安く買って高く売るバリュー投資の7つの基準
- 企業の成長性を評価する15の質問
- 経営に関する3指針
- バフェットの4つの投資スタンス
また、これらの企業に対する考え方は、投資対象としてだけでなく、良い会社(成長する会社)の見極め方としても有効な考え方だと思います。
「みんな、投資をしよう!」という話ではない
私が本書を読んだなかで、特に印象的だった一文があります。
自分がわからない企業や分野は避ける
出典:マンガでわかるバフェットの投資術(p.111)
「自分が理解していない会社や分野に投資をしてしまうと、適切な判断ができないので、失敗する確率が高い」という話なのですが、これは「投資」という行動にも言い換えることができます。
「投資をしてみたいな~」くらいの初心者が、ちゃんと理解していないのに、誰かの言ったことを真に受けて、自分のお金をすべて注ぎ込んでしまっては、うまくいくはずがありません。
事前にしっかりお金の勉強をしたり、日々の生活に全く影響が出ないくらいの少額で試してみたりなど、ちゃんと準備をしてから初めて、投資の世界に足を踏み入れるべきだと思います。